犬との絆⑤
―キャンプ場と犬―
「そのキャンプ場、フリーオッケーかな?」との質問が。
うちが使用しているのは、大半がオートキャンプ場と呼ばれるところです。
管理人さん、オーナーさん達がいて、
場内の管理・整備などをしてくださっているところです。
オートキャンプ場自身では、犬NGというところもかなりあります。
なので、行く際には、まずは犬OKのところを探します。
そして。
フリーオッケーなんて謳っているいるキャンプ場には、
今までであった事はありません!
もしあったとしても、我が家は行く気はありませんが。
ちょっと考えてみたら、当り前のことだと思うのですが?
・どんな犬が来るかわからない。
・それも場内をうろうろしている。
・相手の飼い主はずっとその犬の動きを見ているのか?
・何かあった際、相手の飼い主はすぐ飛んできてくれるのか?
・相手の飼い主は、その犬を制御できるのか?
残念ながら我が家の犬たちを、私は100%制御することは出来ません。
なので、そんな危険地帯に足を踏み入れる勇気は、
今の我が家にはありませんし、
キャンプにそういうスリル感を求める人も、まずはいないとは思うのですが。
オートキャンプ場では、犬OKでも、
「犬はリードにつないで」が基本です。
ただし、オフシーズンのキャンパーさんの少ない閑散期。
管理者やオーナーさんとの間にも、暗黙の了解があり、
それを破ることなくきちんと守れていれば、
我が家の場合、
厳しい事を言われた事は、今まで特にありませんでした。
暗黙の了解。
暗黙なので難しいですが、
我が家にとっては
「他の方に迷惑にならない事」が暗黙事項です。
・私たちの目の届くところ(と言っても、半径数メートル)にはいさせる。
・犬を吠えさせない。万が一吠えた場合は、即、黙らせる。
・犬の排泄物の後始末は100%する。
・他のサイトには近寄らせない。
・他のキャンパーさんの近くには行かせない。
・炊事場など、犬がいるのが衛生的に問題なところには寄らせない。
思いつく限りでは、ざっとこんな所でしょうか?
細かいところでは、
拾い食いをしないとか、動物を追いかけないとか、色々ありますが。
もちろん、この程度の事で自由を許してもらえるのは、
何度も言いますが、オフシーズンで人が少ないからです。
もちろんオフシーズンのキャンプ場でも、キャンプ場によって色々あります。
ある区画サイトでは、
「区画からは出さないでくださいね」と言われました。
ある区画サイトでは、
「かわいそうだからリード、離してあげなさい。大丈夫でしょ?」と。
いやいや、万が一他のキャンパーさんにご迷惑をかけたら…と言ったところ、
「お客さんは少ないし、顔を合わせた時に言っておけばいいですよ。
こんな広いところでつないでおくなんて、かわいそうでしょ。」
と、言われてしまいました。(^_^;)
それまでそんな自然いっぱいのところで、そんな大々的に離したことは、なかったんです。
今までの経験上では、大丈夫だとは思うけど…。
ドキドキしながらリードを離したところ、意外とどこにも行かないもんなんですよね。
それにびっくり!
もっと走り回るかと思ってた。
あ、これは、我が家の場合ですから。
気が緩んで離してしまった途端、
走りさって迷子になったと言う子の話も、ちらほら聞きます。
ある方の話では、シュナはあまり行動範囲が広くない犬種だとのことです。
とは言え、同じシュナでも性格もありますから、
この話は、あくまでも我が家の話、ということで。
ただもちろん、そのうち知り合いの小さいお姉さんたちが出来て、
勝手に一緒に遊んでいたり、なんてことが始まりました。
そんな中、私たちも気が緩んでいたら。
「あの。あっちの方に行っちゃいました。」と、
小さいお姉さんたちに、山の中を指さされました。
…。
今までの経験上、
ふくは、ふくから私が見える範囲にいる。
ななは、私の声が聞こえる範囲にいる。
と言うのは、なんとなくわかっていたのですが、
その時は、じんがまだ来たばかりで。
あの子の動きは読めなかった…。
ただあの当時のじんは、ななにくっついている事が多かったので、
ドキドキしながら、
「ななぁーーー!」
「じんーーーー!!」と呼ぶと。
しばらくすると、茂みがガサガサ言い、スポーンと二人で飛んで出て来ました。
よかった…。(T_T)
それ以来、万が一の時も考えて、
暗黙の了解をしていただける所では、
いつもと違う、それも刺激の多い場所での、
より離れたところからの呼び戻しや、その他新しい訓練など、
自由を満喫させていただきつつ、練習させていただいている事があります。
もちろん、いつも100%うまくいくわけではなく、
この間のようにパニックになるぐらい心配する事もあります。
ま、そんなパニックになったのは、前回1回だけの事ですが。(^_^;)
皆さんのご厚意のおかげで、
日常生活ではなかなか見えない自分の犬の性質が見えてきたり、
そういう場合の対処方法を考える場も、与えていただいている感じです。
本当に、感謝です。
我が家が一般的なキャンプシーズンに行かないのは、
犬を連れていると、
自分たちで決めている暗黙事項を、リードで繋いでいても守るのが難しいからです。
数メートルも離れていないところに、賑やかなファミリーがいたり、
夜中まで賑やかに酒盛りしている方たちがいたり。
中には、3頭連れが珍しいのか、頻繁にのぞきに来る方までいらっしゃいました。
刺激が多すぎます…。
そういう刺激は、今の我が家が求めているものではなく、
そういう強い刺激に耐えるほどの訓練をしたいとも、今は思っていないからです。
全ては、人と人との信頼関係の上で成り立っている話。
こういう質問をする方がいると言う事は、
こういうの、説明しないと分からない人もいるんですね。
そういう方が、暗黙の了解を無視し、うわべだけを真似し、そして同じだけの権利を主張する。
こういう事が原因でなくなった自由だったラン、近くにいくつもあるんですよね…。
人と人との信頼関係。
信頼は築くのは難しくて、破るのは簡単。
そして破ると、修復はほぼ不可能。
というのは、よく言う事。
人との信頼関係。
いつまでもこれを大切にしたいものだと、切に思います。
そしてこれを破る人が、なるべくいないように。
窮屈なところが、さらに増えないように。
これも切に願います。